2015年5月31日日曜日

東邦大学野外生態学実習Ⅱ(5/25~5/29)

今年も東邦大学理学部の皆さんが実習のため来島されました。4年目になる佐渡島での野外生態学実習Ⅱ、今年は教員、学生さん合わせ31名での実施、しかも2グループに分かれ(森川海班とカタツムリ-マイマイカブリ班)、異なる内容の実習を並行して行いました。

 まずは、4年目になる森川海実習の紹介です(昨年度までの森川海実習もブログで紹介していますよ)。森と海をつなぐ河川生態系において、水生昆虫の流呈分布を明らかにすることを目的とし、野外調査、統計解析、成果発表を4泊5日で行うという、ちょっとハードな実習です。今年も、実習のために、佐渡島にある新潟大学の理学部附属臨界実験所、朱鷺・自然再生学研究センター、さらには外部の研究所の教員に協力していただきました。
2グループに分かれる前に、佐渡ステーションの崎尾先生から
演習林の自然についてのレクチャーを受けました。
いよいよ、川での調査開始です。胴長をはき、
現場で調査方法について細かく指導していただきました。
水生昆虫を採取しています(上)。
たくさん、採取できましたが(下)一日目の段階では、
何が何やらわかりません・・・ 
この他にも、水生昆虫の分布に関係があると思われる、
石の大きさ、流速、藻類のバイオマスなどを測定していきます。
今年の実習は天気に恵まれました。
気温も上がり暑い中、皆さん熱心に調査していまいた。
 
そんな中・・・、臨海の教員が見事に網でイワナをゲットしました!
(網でイワナを捕まえるのは非常に難しいそうです)
夜は室内作業が待ってます。水生昆虫とその同定の講義を
しているのは、昨年度まで朱鷺・自然再生学研究センターに
在籍していた方で、今年は山梨の研究所から来てくださいました。
さっそく、同定作業です。しばらくすると、慣れてきて作業もスピードアップ!!
ちなみに、今年は2グループに分かれての実習で、森川海班の講義室は
畳の部屋で合宿みたいな感じになりました。
同定作業が一段落すると、次は自分たちで立てた仮説を検証するために
統計解析(統計解析にはRを使用しました。)、そしてプレゼンの準備・・・
そして、いよいよ成果発表です。
どの発表も分かりやすく、上手にまとまっていました。

次は食う食われるの関係「カタツムリとマイマイカブリ」班(進化生態学班)です。20名以上の大所帯。この実習では、貝食性のマイマイカブリには狭頭型(主に本州のマイマイカブリ)と巨頭型(サドマイマイカブリ)の二型がありますが、なぜそのような進化が起こったのかを考察するために、行動観察を行います。さらに、カタツムリの形態計測実習も行います。そのためにも、まずは対象を探しに演習林の森へ・・・
林道沿いにマイマイカブリ捕獲用のトラップをかけ、
さらにカタツムリを林道沿いを歩いて探します。
晴天続きのため、カタツムリはあまり見つからず・・
ところが!歩いて探していると、
道でヒダリマキマイマイを捕食中のサドマイマイカブリを見つけました。
しかも、2匹!!
こちらはマイマイカブリ捕獲用のトラップです。
ピットホールトラップといいますが、
コップを埋めた落とし穴だけで捕獲できます。
今年は花期が長く見られているサンカヨウ。
シラネアオイやタムシバも長々と咲いています。
ウワミズザクラにはたくさんの毛虫の巣
カタツムリ探しの合間にはクロサンショウウオも登場。
撮影会です。
さて、カタツムリ探しに戻ります。

落ち葉を丁寧にひっくり返しながらカタツムリを探します。
なかなか見つからず、どうなることかと思いましたが
最終的にはたくさんのカタツムリや、マイマイカブリが捕獲できました。
夜はカタツムリの形態計測をします。
さらにマイマイカブリの捕食行動を観察します。
上野写真の道端のマイマイカブリは、頭を突っ込んで捕食していましたが、
行動実験では、小さいカタツムリの殻を壊してから中を吸っていました。
さらに、たくさんの情報をを主成分分析するためのお勉強。
最後に形態データを主成分分析しました。
調査、勉強の合間のお昼は、息抜きに海を眺めながら・・・
右端のカモメがみんなのお弁当をねらっている!?
最終日は打ち上げのバーベキュー。
杉の皮と薪を使って炭を起こしていきます。
東邦大学の長谷川先生のねぎらいの言葉でバーベキュー開始!!
海の幸満載のバーベキューで、皆さん盛り上がりました!
(写真が無くてすみません・・・)
2実習の並行実施は初めての試みでしたが、無事、終了いたしました。盛りだくさんの実習の中でも、佐渡の自然の豊かさを感じられたでしょうか?皆さん、これからもどんどん外に出て、新しい発見をしてくださいね。
また、佐渡やどこかでお会いできるのを楽しみにしております!

PS.ブログで、佐渡研究室のブログは3並びになりそうです。

2015年5月29日金曜日

佐渡ゼミ開催6/24(水)20:00-トキ交流会館:東京大学藤田剛氏によるサシバ(鳥類)の話.

次回佐渡ゼミ開催内容が決定しました!

6/24(水)20:00から トキ交流会館(〒952-0103 新潟県佐渡市新穂潟上1101-1)
「東北から九州まで、日本の里山にくらす猛禽サシバにとって大切な農地景観を明らかにする」
東京大学藤田剛氏
※事前予約不要。転送可。
どなたさまもお誘いあわせの上、ご来場いただければうれしいです。

サシバの写真はなかったので・・・

2015年5月19日火曜日

佐渡の幸!

今日は佐渡の幸がたくさん手に入りました。まずは海岸に寄せていたワカメ。それから黒姫集落からタイやコウグリ(カワハギ)を頂きました!実習のバーベキューでお目見えすると思います。
写真は何か分かりますか?これは山の幸ですが・・・
何の花?
これを見ればわかるのでは?
そう、ギョウジャニンニクの花です。葉を食用にするため、花を見る機会はほとんどありません。そこで、ギョウジャニンニクの根ごと、鉢植えを持ってきていただいたのが、ようやく咲きました。Allium、つまりネギ属なので、ネギ坊主と同じような花が咲きますが、一つ一つの花が大きいように感じます。
そしてワカメ。
岸にたくさんあがっていました。
干したり冷凍したりして、ゆっくり頂きます。
実習にも登場しますよ。
海岸では岩にイワユリ(スカシユリ)、斜面にトビシマカンゾウ(キスゲ)が咲き始めました。海岸もハマエンドウやスナビキソウ、コウボウムギがきれいに咲いています。
先日行った素浜海岸

2015年5月18日月曜日

高知大学 佐渡巡検(5/11 〜 5/14)

 皆さま、こんにちは。この週末は、佐渡は澄んだ青空が広がっていました。日曜日には、自転車で佐渡を一周する「佐渡ロングライド210」が開催され島内は賑わっておりました。

 佐渡ステーションでは、先週から実習シーズンに入りました。今年度も忙しくなりそうです。シーズンのトップを切ったのは高知大学の佐渡巡検(共同利用実習)で、遠路はるばる高知から8名の教員、学生さんが来島されました。佐渡巡検ということで、小佐渡のキセン城の里山から大佐渡のドンデン(草地)、演習林の様々な森林を余す事無く巡りました。

2日目はドンデンの頂上付近をトレッキング
草地に分布する植生の説明を熱心に聞く学生さん達 
ドンデン池は、クロサンショウウオ、
ヤマアカガエルの卵隗でいっぱいでした。

 そして、今回の実習のハイライト(?)は3日目の演習林・風衝地での風の強さでした!佐渡歴7年(8年?)のボスでも初めて・・・というくらいの風の強さでした。
ボスの専門である水辺林での説明。
この辺りでは、まだまだ弱風でした。
千手杉の辺りで、今日は風強いねぇ〜というくらい・・・ 
風衝地では、車の扉の開閉が難しくなる程の強風でした。
最初は写真を撮るくらいの余裕があったのですが・・・
風は次第に強さを増し、最終的には姿勢を保つのも難しくなり、車に退避しました。
あまりにも強風のため、王様の小径や大倉シラバの観察は中止になりました。代わりに、普段は立ち寄らないポイントで植物観察しました。

ザゼンソウ。
撮影テクを京大のIさんから教わり、撮影してみました。 
残雪に夢中の学生さん達。高知では積雪はめったに無いそうです。
学生よりも、植物の撮影に夢中の教員(お馴染みの光景ですね)。
 打ち上げのバーベーキューも強風のため、室内で鉄板焼きに変更になりましたが(これが、ちょっぴり残念でした)、大いに盛り上がりました!高知大の皆さま、お疲れさまでした!またの来島をお待ちしております。

2015年5月15日金曜日

咲きました!

今年は早いですね!
クマガイソウ
小さいハエが来ています。
コケイラン
里地から亜高山帯まで咲くランですが
こちらは標高数十m
ザゼンソウ
オオミスミソウは果実をつけました!
今週から共同利用実習も始まっています。また報告いたします。

2015年5月10日日曜日

ハマナス咲きました!

今年もハマナス咲きました。どうやら数日前から咲いているようです。オオハナウドも咲き乱れ、沿岸が華やかになりました。
鮮やかな色ですね!
海と田んぼとカモメとおばあさん
佐渡ではGWくらいから田植えが盛んに行われています。この時期になると、カモメがたくさん田んぼに現れ、お食事をしています。島ならではの田植え風景ですね。

2015年5月7日木曜日

ジオパーク実習_春植物

毎日良い天気が続いていますね。今日は今年度初実習で、ジオパークガイドの実習_春植物を演習林で行ないました。しかし・・・今年は雪解けも早く、暑い日も続いたため、春を通り過ぎ、春植物の後に咲く草本や木本の花が多く観察できました。
いつもは5月中旬から下旬に咲いているのですが、
今年は初旬からサンカヨウが見られました。
サンカヨウは、大小二枚の葉を付け、
うち一つの葉に花をつけます。
そちらは養分を取られてか、葉は小さくなります。
このアンバランスが可愛いです。
で、撮影会。
タムシバも咲いていました。
こぶしと似ている(同じモクレン科)花ですが
花の下に葉がついていないのが特徴です。
今日はシラネアオイやサンカヨウといった、遅めの春(早めの夏?)に咲く花が見ごろでした。樹木では、アオダモの花が見ごろです。山の下の方ではタニウツギも咲き始めていました。

毎年同じ時期に実習をしていますが、年により、見頃の植物が変わりますね!これも一興ということで、また来年、機会がありましたらよろしくお願いいたします。